丸谷マナブ

略歴SONY MUSICより

宅録ユニット『sunbrain』としてDefSTAR Recordsよりメジャーデビュー。
sunbrain 活動休止後からソロアーティスト活動と作詞・作曲・プロデュース活動を開始。
2014年に、日本レコード大賞・優秀作品賞、ゴールドディスク大賞シングルオブザイヤーを受賞。また、オリコン作曲家2014年トータルセールスでは第1位を獲得。
2017年には第68回NHK紅白歌合戦で提供した3作品が歌唱される。(Little Glee Monster「好きだ。」三代目J Soul Brothers「HAPPY」AKB48「11月のアンクレット」)
2018年第60回日本レコード大賞 作曲賞をLittle Glee Monster「世界はあなたに笑いかけている」で受賞。
KAT-TUN「UNLOCK」、Hey! Say! Jump、乃木坂46、NISSY、倉木麻衣、UNIONEなど多数の提供実績を持つ。

ガオサイトが集めた情報

ーーLittle Glee Monsterとの関わりも深いですが、最初の接点はどこだったんですか?
最初はホントに偶然で。ポケモンの主題歌(「ガオガオ・オールスター」/テレビアニメ『ポケットモンスター XY』エンディングテーマ)のコンペに参加して、選んでもらったのがきっかけだったんです。その後、Little Glee Monsterが歌うことになって、そこで初めてお会いして。レコーディングにも立ち会って、「おもしろいグループだな」と。

その流れで、4thシングル曲の「好きだ。」を手がけることに?
そのプロセスもちょっと変わってるんですよ。「リトグリの4thシングルのコンペに参加するなら、どんな曲を作りますか?」というテーマの講座イベントがあって、僕が先生役をやったんです。おもしろそうだなと思って引き受けたんですけど、やり始めると「これは大変だな」と。曲を作るとき、「どうしてこのコードを選んだのか」とか「なぜこのメロディになったのか」って、いちいち考えてなかったんですよ。それを生徒の前で説明して、なおかつ圧倒的にキャッチーで、いい曲を作らないといけないっていう。ただ、すでに僕はリトグリのメンバーに会っていたので、そこで感じたことを反映させようと思って。彼女たちは自分の娘でもおかしくない世代で、どういう思考回路を持ってるか、ぜんぜんわからなくて(笑)。

一方でその頃、海外クリエイターと一緒に仕事することが増えていて、そのなかで感じたことをリトグリの反映してみようと思ったんです。彼らは自分の気持ちを臆せず表現するし、友達にも「I miss you」「I like you」って言うんですよ。僕自身もその雰囲気が心地よかったし、「もしリトグリのメンバーが、お互いに“好きだよ”“会いたかった”」って言ってたら、日本の未来は明るいなと。その時点ではただの妄想なんですけど(笑)、自分が体験したことを踏まえて、リトグリのみんなが「好きだ」と歌う曲を作れたら説得力があるだろうなと思ったんです。同級生に恋している曲にも聴こえるだろうし、フレンドシップの歌に聴こえるのもいいな、と。
そこで曲の設計図が出来た。
そうですね。あとは爽やかなメロディやハーモニー、ソウルミュージックのセンスも取り入れて。結果的に作詞家の前田甘露さんにも入ってもらったんですが、〈「キミ」が好きだ〉という歌詞はデモの段階からあったんです。歌詞とメロディの親和性、そのアーティストが歌う意味、リリースするタイミングが揃うと、ヒットのポテンシャルが高いんだなと実感しましたね。
そして「世界はあなたに笑いかけている」はLittle Glee Monsterのイメージを決定づけた曲だと思います。この楽曲の制作には、どんなテーマがあったんですか?
最初はコカ・コーラのCMソングだと明かされてなくて、「清涼飲料水の大きいタイアップがほぼ決まっています」という話だったんです。スタッフからも「これが勝負曲になる」という意気込みが伝わる案件だったし、コンペとはいえ、「これは自分が書かないといけない」という覚悟を持って臨みました。タイアップに沿うために絶対的な清涼感が必要だし、リトグリらしいハーモニーとソウルフルなグルーヴはもちろんなんですが、彼女たちの活動をずっと見てきて、「このタイミングで必要なのは普遍性だ」と思って。普遍性って便利な言葉だし、ともすれば退屈なんですよ。すでに売れたアーティストがやれば、みんなに聴いてもらえるいい曲になるんだけど、彼女たちはそこにアプローチする直前だったし、まだまだ新鮮さも求められる。つまり新鮮さと普遍性を兼ね備えた曲が必要だったんですよね。
めちゃくちゃハードル高いじゃないですか。曲の核になる部分はどこだったんですか?
冒頭の〈smile together〉ですね。“smile”も“together”も普遍代表みたいな言葉なんだけど、この2つをくっつけたフレーズは聴いたことがないなと。メロディも一緒に浮かんで、これはフックになるはずだと思って。最初のデモ音源は英語が多めだったんですが、いしわたり淳治さんが歌詞に関わってくれて、〈ほら笑って〉という強いフレーズを作ってくださったのも大きかったですね。音楽的には、そこまでBPMが速くない曲でシンコペーションしていたり、追っかけのコーラスまでキレイに3声でハモってたり。新鮮さと普遍性のバランスもいいと思うし、リトグリにとっても大事な曲になったのは嬉しいですね。
リアルサウンドより